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歯科医院の採用で、求人票を出す前に整えること
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この記事の結論
応募が集まらない、入っても続かないという場合、原因は求人票の文言より、医院側で説明できる状態が整っていないことにあると考えています。仕事の中身・入職後の段取り・事務作業の量を先に書き出してから、求人票を作ってください。
「求人を出しているのに応募が来ない」「採用できても半年で辞めてしまう」という相談を受けることがあります。 求人媒体を増やす、掲載文を書き直す、という話になりがちですが、その前に医院側で整理できることがかなり残っています。
特に訪問歯科を持つ医院では、応募者から見て仕事の中身が想像しにくいという事情があります。 外来しか経験のない歯科衛生士にとって、訪問の一日がどう流れるのかは、求人票の条件欄からは読み取れません。
ここでは、求人票を出す前に手をつける順番を書きます。
1. 仕事の中身を、時間の流れで書き出す
最初にやるのは、募集する職種の一日を時間の流れで書き出すことです。 訪問であれば、出発前の準備、移動、施設での挨拶、診療の補助、記録、帰院後の片づけと書類まで。 外来と訪問を兼務するなら、その週の割り振りも書きます。
この作業を院長一人でやると、実際に現場が使っている時間とずれることがあります。 すでに働いているスタッフに、直近一週間の動きを書いてもらうほうが早く、内容も正確です。
書き出してみると、求人票に載せていなかった条件が見つかることがあります。 自家用車を使うのか、移動時間は勤務時間に含むのか、昼食はどこで取るのか。 こうした点は、入職後に「聞いていなかった」となりやすい部分です。先に決めて、先に書くほうが、 結果として辞退や早期離職を減らせると考えています。
2. 見学と面接で、何を見せるかを決める
求人票の情報量には限界があります。応募者が判断材料を得るのは、実際には見学と面接の場です。
「アットホームな職場です」と書くより、見学の日に訪問へ同行してもらい、施設での実際のやり取りを見てもらうほうが伝わります。 同行が難しければ、朝の準備や記録の時間帯だけでも構いません。
面接では、応募者からの質問を待つのではなく、答えにくい点をこちらから先に説明しておくことをおすすめします。 残業がどのくらい出るのか、休みの取り方、教育にどれだけ時間を割けるのか。 条件のよさを並べるより、実態を先に開示したほうが、入職後のずれは小さくなります。
3. 入職後の最初の三か月を、先に決めておく
採用が決まってから教育の中身を考え始めると、現場が忙しい時期には「見て覚えて」になります。 新しく入った人にとっては、これがいちばん辞める理由になりやすい部分です。
決めておきたいのは次の三点です。
- 教える担当は誰か。担当が休みの日は誰が見るか
- 一か月目・三か月目に、それぞれ何ができていればよいか
- 困ったときに誰へ聞くか。院長に直接聞いてよい場面はどれか
紙一枚で構いません。書いたものがあると、教える側の負担も減ります。
4. 事務作業の量を、採用の前に見直す
訪問歯科は、外来に比べて診療後の記録や書類が多くなります。 診療が終わってから机に向かう時間が長い医院では、その時間が募集条件に書いた終業時刻を超えていることがあります。
人を増やして解決しようとする前に、いまの手順を一度見てください。 同じ内容を紙とパソコンに二回書いていないか。定型の文面を毎回一から書いていないか。 報告書の様式が施設ごとにばらばらで、そのたびに作り直していないか。
こうした重複を減らすのは、特別な仕組みを入れる話ではありません。 様式をそろえる、入力する場所を一か所に決める、書き終える時間帯を決める。 地味ですが、ここが片づいていない状態で人を増やしても、新しい人の残業が増えるだけになります。
5. 医院の様子が、外から分かる状態にしておく
応募を検討する人が、医院名で検索することは珍しくありません。 そのときに出てくる情報が診療時間と地図だけだと、働く場所としての判断材料がありません。
ホームページに採用のページを一枚作り、1で書き出した一日の流れ、3で決めた入職後の進み方、 実際に働いているスタッフの担当範囲を載せておく。写真は現場で撮ったもので十分です。
SNS を使う場合も、目的は認知を広げることではなく、応募を検討している人が中を見られるようにすることだと考えています。 投稿の頻度や再生数を追いかける必要はありません。 患者さんやスタッフが写る場合は、撮影と掲載の同意を先に取り、院内での確認の手順を決めてから始めてください。
まとめ
- 募集する職種の一日を、時間の流れで書き出す
- 移動・車・時間外など、聞かれにくい条件を先に決めて先に書く
- 見学で実際の現場を見せ、面接では答えにくい点をこちらから説明する
- 教える担当と、一か月目・三か月目の到達点を紙一枚で決めておく
- 記録と書類の重複を減らしてから、人を増やす
- 働く場所としての情報が、外から見える状態にしておく
どこから手をつけるかは、医院の人数と、いま抜けている職種によって変わります。 求人票の前段を整理したい場合は、外部事務長の初回相談で、現在の業務の書き出しからご一緒します。
