訪問歯科
訪問歯科の書類が増えすぎたときに、先に決めること
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この記事の結論
書類が増えて追いつかなくなったときは、担当者を増やす前に、扱う書類の一覧・記録の置き場所・控えの残し方・未返送時の手順の4つを決めてください。個人の注意力で持ちこたえている状態は、担当者が変わった時点で崩れます。
訪問歯科は、施設からの依頼が増えた時点で事務の負荷が一段上がります。 訪問ルートの調整と、書類の管理です。特に書類は、患者さんが増えるほど種類も相手も増えていきます。
同意書、契約書、ご家族への説明資料、施設への報告書、居宅療養管理指導に関する書類。 それぞれ宛先が違い、返送が必要なものとそうでないものが混ざります。 「誰に、いつ、どの書類を渡して、返ってきたのか」が追えなくなると、現場の確認作業が増えていきます。
実際に起きたこと
私自身、以前在籍していた法人で失敗した経験があります。
ご家族宛に書類を郵送したものの、返送が確認できませんでした。届いていないか紛失されたのだろうと判断し、同じ書類を再送しました。 後日、ご家族から連絡をいただきました。
「先日、記入して返送しました。重要な書類なのに、どういう管理をされているのでしょうか」
原因は単純で、書類到着のチェック欄への記入が漏れたまま、現物が別のファイルに保管されていた、というものでした。 加えて、こちらに送った書類の控えが残っておらず、何を送ったのかをその場で説明できませんでした。
担当者の不注意として片づけることもできます。ただ、同じ状況に置かれれば誰でも起こし得る種類のミスだと考えています。 紙の書類が机の上を流れていき、確認の記録が手書きのリストにしか残らないなら、記入漏れは時間の問題です。
先に決めておくこと
書類が増えたときに担当者を増やす、という対応がまず出てきます。 ただ、扱い方が決まっていないまま人だけ増やすと、判断のばらつきが増えて確認作業がさらに増えます。先に決めるのは次の4つです。
1. 扱う書類の一覧を作る
何という書類が、誰から誰へ、どのタイミングで動くのか。この一覧が医院にない状態は珍しくありません。 A4一枚で構いません。書類名/宛先/発生するタイミング/返送の要否、この4列があれば足ります。 作ってみると、同じ内容の書類が二種類あった、といったことが出てきます。
2. 記録の置き場所を一つにする
送った・返ってきたの記録が、手書きのリスト、カルテの備考欄、担当者の記憶に分散していると、確認のたびに複数箇所を見ることになります。台帳は一つにする、というだけで見落としは減ります。 表計算ソフトでも紙でも構いませんが、二重に持たないことのほうが重要です。
台帳に入れる項目も絞ります。患者名、書類名、送った日、返ってきた日。まずはこの4つで足ります。 項目を増やすほど記入が滞るので、運用が定着してから足すほうがうまくいきます。
3. 送った書類の控えを必ず残す
返送を求める書類は、送る前に控えを取ります。手間ですが、問い合わせを受けたときに「何を送ったか」を即答できるかどうかが変わります。 控えがない状態での説明は、どうしても曖昧になります。
4. 返送がないときの手順を決める
今回の失敗は、再送そのものではなく、再送の前に確認する手順がなかったことでした。 何日たったら誰が連絡するのか、連絡してから再送するのか。ここを先に決めておけば、判断が担当者ごとにぶれません。
仕組みにする、という意味
医療と介護の現場では、紙でのやり取りがまだ多く残っています。 すべてをデジタルに置き換えられるわけではないので、当面は紙と電子が混在する前提で組むことになります。
目指すのは、注意深い人が担当しているから回っている状態から、誰が担当しても同じ手順で回る状態への移行です。 ミスの連続と業務の積み上がりをきっかけに事務スタッフが辞めてしまう、という相談も受けます。 仕組みを決めることは、人を守ることでもあると考えています。
まとめ
- 扱う書類の一覧をA4一枚で作る
- 送った・返ってきたの記録を、一つの台帳にまとめる
- 返送を求める書類は、送る前に控えを残す
- 返送がないときの確認手順を、再送より先に決める
- 担当者を増やす前に、扱い方を決める
書類の種類も量も、訪問先の構成によって変わります。自院の書類の流れを一度棚卸ししたい場合は、訪問歯科コンサルティングの相談で、現在の書類と手順を並べて整理するところからご一緒します。
