訪問歯科
「施設を紹介します」という話が来たときに、先に確認すること
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この記事の結論
紹介そのものが問題なのではなく、契約書がないまま手数料の割合と期間が決まっていない状態が問題になります。話を受けるかどうかの前に、契約書・手数料の期間・解約条件・紹介以外に何をしてもらえるのかを確認してください。
訪問歯科を伸ばしたい医院に、「この施設に入れます」「紹介できます」という話が持ち込まれることがあります。 提案の形はさまざまですが、多いのは「施設を紹介する代わりに、そこから生まれた売上の一定割合を継続して受け取る」という条件です。
この形が常に悪いわけではありません。訪問歯科を立ち上げた直後は、地域に医院の名前が知られていないため、入口を作ってもらえること自体に価値があります。 施設との間でトラブルが起きたときに間に入ってもらえる、という実務上の利点もあります。
問題になりやすいのは、条件が口頭のまま進むことです。ここでは、話を受けるかどうかを判断する前に確認しておきたい点を並べます。
1. 契約書があるか
まず確認するのは、契約書があるかどうかです。口頭の合意だけで訪問が始まってしまうと、後から手数料の割合や範囲を巡って認識がずれます。 「施設との関係を壊したくない」という気持ちが働くため、始まってしまった後の条件変更は難しくなります。
書面がない、あるいは「後で作ります」と言われた段階で、いったん止めて構いません。相手が本気であれば、書面を出すこと自体は難しくないはずです。
2. 手数料が何%で、いつまで続くのか
手数料の割合そのものより、「いつまで払い続けるのか」のほうが後で効いてきます。 紹介の対価であれば、初回だけ、あるいは一定期間で終わるという設計もあり得ます。一方で「その施設から生じる売上すべてに、期間の定めなく」となっていると、 紹介という一度きりの行為に対して、支払いだけが続く形になります。
保険診療は単価に上限があります。人件費・移動・材料・書類作成にかかる時間を差し引いたうえで、その割合を継続的に負担できるのかを、 自院の数字で計算してから判断してください。ここは感覚ではなく、実際の訪問1件あたりの収支で見る部分です。
3. 紹介以外に、何をしてもらえるのか
「コンサルタント」という肩書きで提案が来ることがありますが、実際に提供される役務が施設の紹介だけ、という場合もあります。 経営の改善、スタッフの教育、記録や書類の仕組みづくりが含まれるのかどうかを、契約書の条文で確認してください。
含まれないのであれば、それは紹介の対価です。紹介の対価として妥当かどうか、という基準で見れば判断はしやすくなります。
4. 解約するとき、施設との関係はどうなるのか
いちばん確認が抜けやすいのがここです。契約を解除したとき、その施設への訪問を続けられるのか、続けられないのか。 「解約したら訪問も終わり」という条件になっていると、患者さんの診療が途中で止まります。実際に困るのは施設と患者さんです。
解約条項と、解約後の取り扱いを先に読んでおくことをおすすめします。
並行して、自院の入口も作っておく
紹介を受けるかどうかに関わらず、自院で施設と関係をつくる導線は並行して作っておいたほうがよいと考えています。 紹介は入口としては早いのですが、入口が一つしかない状態は、その一つが止まったときに影響が大きくなるためです。
具体的には、無料の口腔チェックや説明会から始めて、報告書の形式と返し方をそろえ、施設側の担当者が院内で説明しやすい資料を用意していく、という順番になります。 時間はかかりますが、積み上がった関係は医院に残ります。
まとめ
- 契約書があるか。口頭のまま始めない
- 手数料の割合と、支払いが続く期間を確認する
- 紹介以外の役務が含まれるかを条文で見る
- 解約したとき、その施設への訪問を続けられるかを確認する
- 紹介を使う場合も、自院の入口づくりは並行して進める
条件の妥当性は、医院の規模・地域・現在の訪問件数によって変わります。 提案を受け取って判断に迷う場合は、訪問歯科コンサルティングの初回相談で、契約条件と自院の数字を並べて整理するところからご一緒します。
