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訪問歯科

「歯が痛い」の連絡で、訪問歯科の担当者が先に考えること

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この記事の結論

施設からの痛みの連絡では、歯科医師が次に必要とする情報を想像し、最初の電話で分かる範囲を確認する。担当者が先を考えて連絡を進めることで、施設への聞き直しを減らす。

施設から「歯が痛いと言っています」「入れ歯が当たるようです」と連絡が入る。

訪問歯科では、よくある連絡です。このとき、医院の担当者が最初の電話で何を確認するかによって、その後のやり取りは変わります。

大切なのは、歯科医師が次に何を知りたいか、施設の方がこの後どんな動きをするかまで考えて、話を聞くことです。

「どこが痛いですか?」で、もう一往復が発生する

たとえば、次のようなやり取りです。

施設から「歯が痛いそうです」と電話が入る。医院の担当者は、そのまま歯科医師に伝える。

歯科医師からは「どこが痛いの?」と聞かれる。しかし、そこまでは確認していない。

施設へ電話をかけ直すと、「本人に聞いてきます」となる。施設の方がご本人のところへ行き、確認して、また医院に連絡する。

一つの確認のために、電話と移動が増えています。

施設の方も、ほかのケアや業務の合間に連絡してくださっています。最初の電話で確認できたことを後から聞き直せば、それだけ相手の手をもう一度止めることになります。

担当者には、その先を想像してほしい

「歯が痛い」という連絡であれば、歯科医師から痛む場所を聞かれることは想像できます。

「入れ歯が当たる」という連絡であれば、上なのか下なのか、つけているときに痛いのか、今もつけているのか、といった確認が考えられます。

最初の電話で、たとえば次のように聞けます。

  • 「ご本人は、どのあたりが痛いとおっしゃっていますか?」
  • 「いつから痛がっていますか?」
  • 「食事のときでしょうか。何もしていないときも痛そうですか?」
  • 「入れ歯は今、つけていらっしゃいますか?」

施設の方に診断を求める必要はありません。ご本人の言葉と、施設の方が実際に見た様子を、分かる範囲で確認します。

認知症などで痛む場所をうまく伝えられない方もいます。その場合は、無理に答えをそろえず、「場所は確認できない」「食事のときに顔をしかめる」といった情報をそのまま伝えることが大切です。

当面の対応が限られるからこそ、確認しておく意味がある

連絡を受けても、すぐその場で診察できるとは限りません。

歯科医師が状況を確認したうえで、すでに処方されている痛み止めについて指示したり、痛む義歯をいったん外しておくよう伝えたりすることがあります。

こうしたやり取りを経験している担当者なら、その指示を施設へ伝える際に、さらに何が必要になるかも考えられるはずです。

たとえば、本人に処方された薬があるか、すでに服用しているか。義歯については、外している状態なのか、外しても痛みを訴えているのか。

ただし、「痛み止めがあれば飲んでください」と担当者の判断で薬を勧めたり、「入れ歯を外せば次の訪問まで大丈夫」と決めたりすることはできません。服薬に関わる対応は、処方や医療職の指示を確認して行う必要があります。厚生労働省の関連通知

担当者が先にできるのは、判断に必要な情報を集め、すでに確認された指示の内容と適用範囲を確かめて、施設との連絡を進めることです。

毎回、歯科医師につないでから考え始めない

担当者が電話の内容をそのまま伝えるだけでは、何を確認するかも、施設へどう返すかも、毎回すべて歯科医師が考えることになります。

ここは、医院の中で教え、共有しておきたいところです。

「歯の痛みの連絡では、最初に何を聞くか」
「義歯が当たるという連絡では、何を確認するか」
「確認済みの指示として伝えられる内容はどこまでか」
「すぐ歯科医師に相談するのは、どんなときか」

まずは、実際にあった電話を一つ振り返るだけでも始められます。

歯科医師が「どこが痛いの?」と聞いたなら、その確認を次回は最初の電話でできるようにする。服薬状況を聞かれたなら、なぜその情報が必要だったのかまで共有する。

こうした積み重ねが、担当者の「次に必要になることを考える力」につながります。

もちろん、様子がいつもと大きく違う場合や判断に迷う場合は、情報がそろうのを待たずに歯科医師へつなぎます。

まとめ:一本の電話の先にいる人の動きまで考える

訪問歯科の連絡には、患者さん、施設職員、医院の担当者、歯科医師が関わります。

医院からの一つの聞き直しが、施設の方の移動や確認、ご本人への再度の声かけにつながります。

だからこそ、医院の担当者には、受け取った言葉の先を想像してほしいと思います。

明日から始めるなら、最近の「歯が痛い」「入れ歯が当たる」という連絡を一件振り返り、歯科医師から聞き返されたことを、次の最初の電話で確認できるようにする。

その小さな改善から、施設にも歯科医師にも頼られる担当者の仕事が始まります。

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出典

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