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訪問歯科

訪問歯科の算定。仕組みの見取り図と、確認先の決め方

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この記事の結論

算定は、点数を覚えることではなく、記録が算定の根拠になっているかを確認する作業です。誰がいつ記録し、誰が請求前に確認するかを決めていない状態が、返戻と抜けの原因になります。点数と要件は改定で変わるため、必ず最新の告示・通知で確認してください。

訪問歯科の算定について相談を受けるとき、多いのは「何が取れるのか分からない」という質問です。 ただ、話を聞いていくと、問題が点数の知識そのものではないことがよくあります。

算定できるかどうかは、最終的には記録が残っているかで決まります。 診療の場では正しく対応しているのに、記録の形が整っていないために請求できない、あるいは返戻になる。 この記事では、点数の一覧ではなく、そこに至る仕組みのほうを整理します。

外来と何が違うのか

訪問歯科の請求は、外来と次の点で構造が異なります。

  • 診療の場所(居宅か施設か)が、算定の区分に関わる
  • 同じ建物で何人を診たかが、算定の区分に関わる
  • 診療に要した時間が、算定の区分に関わる
  • 歯科医師の診療とは別に、歯科衛生士による指導が算定の対象になる
  • 継続的な管理について、計画と記録が求められる

つまり、「その日、どこで、誰を、何人、どれだけの時間、何をしたか」が、そのまま請求内容を決めます。 外来のように診療内容だけを記録していると、区分の判断に必要な情報が足りなくなります。

点数を書かない理由

この記事には、具体的な点数を書きません。診療報酬は改定のたびに変わるためです。

令和8年度の改定でも、歯科訪問診療料に関する注の番号が繰り下がるなど、届出の様式に関わる変更が入っています。 古い情報を参照すると、誤った請求や返戻につながる可能性があります。 点数と要件は、厚生労働省の告示・通知と、地方厚生(支)局が出している届出の一覧で確認してください。 この記事の末尾に、確認先のリンクを置いています。

施設基準の区分を把握しておく

訪問歯科に関わる施設基準には、在宅療養支援歯科診療所1・在宅療養支援歯科診療所2・在宅療養支援歯科病院といった区分があります。 どの区分を届け出るかによって、算定できる項目が変わります。

届出をするかどうかは、要件を満たせるかどうかと、それによって何が変わるかを並べて判断する話です。 「届出をすれば収益が上がる」という単純な関係ではなく、要件を満たし続けるための業務が増える面もあります。 現在の体制で無理なく満たせるのかを、先に確認してください。

距離の要件も、算定の前提になる

往診料の規定では、保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超える場合の取り扱いが別に定められています。 16キロメートルを超える訪問は、その医療機関から行う「絶対的な理由」がある場合に限られる、という整理です。 中央社会保険医療協議会の資料では、この考え方が歯科訪問診療料についても同様に適用されるとされています。

新しい施設からの依頼を受けるときは、診療内容の前に、この距離を確認しておいてください。

抜けが起きるのは、たいてい同じ場所

算定の抜けが起きる箇所は、医院によって大きく違いません。私が見てきた範囲では、次のような形が多いです。

  • 診療録には書いてあるが、算定に必要な項目(人数・時間・場所)が明示されていない
  • 歯科衛生士の指導について、計画と実施の記録が別々に管理され、突き合わせができていない
  • 施設に出した報告書と、診療録の内容が一致していない
  • 請求前に内容を確認する人が決まっておらず、入力した人がそのまま提出している

いずれも、点数の知識ではなく手順の問題です。手順を直せば、同じ診療内容でも請求の精度は上がります。

先に決めておく 4 つのこと

  • 記録の様式:区分の判断に必要な項目(場所・人数・時間)を、様式の中にあらかじめ欄として用意する
  • 記録するタイミング:訪問先で書くのか、戻ってから書くのか。戻ってから書く場合は、その時間を予定に入れる
  • 請求前の確認:誰が、どのタイミングで、何を見るのかを決める。入力者と確認者は分ける
  • 改定への対応:改定のたびに、誰が告示・通知を確認し、様式を更新するのかを決めておく

返戻が出たときの扱い

返戻はゼロにはなりません。制度の解釈が分かれる箇所もあり、審査側の判断が入るためです。 大切なのは件数そのものより、同じ理由の返戻が繰り返されていないかです。

返戻の理由を記録に残し、月次で並べて見てください。同じ理由が続いているなら、それは個別の書き間違いではなく手順の問題です。 原因が記録の様式にあるのか、確認の工程にあるのかを切り分けたうえで、様式のほうを直します。

まとめ

  • 算定は、点数の知識より記録の形で決まる
  • 場所・人数・時間が記録に残る様式にする
  • 点数と要件は改定で変わるため、告示・通知で確認する
  • 施設基準の届出は、要件を満たし続けられるかを含めて判断する
  • 入力者と確認者を分ける
  • 返戻は件数ではなく、同じ理由が繰り返されていないかを見る

記録の様式づくりと、請求前の確認の工程を医院に合わせて設計するところは、外部事務長の範囲で対応しています。訪問歯科をこれから立ち上げる、あるいは一度つくった体制を組み直す場合は、訪問歯科コンサルティングとしてご一緒します。

出典

診療報酬の点数や施設基準の要件は改定で変わります。実務にあたっては、 厚生労働省および地方厚生(支)局が公表している最新の告示・通知をご確認ください。

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